漁夫の利の意味と由来を完全解説!ビジネス例文・類語も徹底網羅

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「漁夫の利」という言葉は、紀元前の中国戦国時代の遊説家たちの策謀や言行をまとめた歴史書『戦国策(燕策)』に記された説話が由来となっています。この逸話は、漢文の教科書などでも有名な「鷸蚌の争い(いつぼうのあらそい)」と呼ばれるエピソードです。

当時、強国である「趙(ちょう)」が隣国の「燕(えん)」へ侵攻しようとしていました。燕の王に仕えていた弁論家・蘇代(そだい)は、趙の恵王(けいおう)のもとへ赴き、無謀な戦争を思いとどまらせるために次のような寓話を語りかけました。

ある日、川辺で大きなハマグリ(蚌)が殻を開いて日向ぼっこをしていました。そこへシギ(鷸)という鳥が飛んできて、ハマグリの肉をついばもうと嘴(くちばし)を突き刺しました。するとハマグリは素早く殻を閉じ、シギの嘴を挟み込みます。

シギは「今日も明日も雨が降らなければ、干からびたお前は死ぬだけだ」と言い、ハマグリも「今日も明日も殻を開かなければ、嘴を抜けないお前こそ飢え死にするだけだ」と言い返し、双方が一歩も譲らず睨み合いを続けました。そこへ通りかかった一人の漁師(漁夫)が、身動きの取れなくなったシギとハマグリを苦もなく同時に捕らえ、持ち去ってしまったのです。

蘇代はこの話を結んだ後、恵王に対して鋭く問いかけました。「いま趙が燕を攻めれば、両国は長期にわたって激しく消耗します。その結果、西方の強大国である『秦』が漁夫となって、両国とも一網打尽に滅ぼされてしまうのではないでしょうか」。恵王はこの卓越した比喩による警告の正しさを認め、燕への侵攻を直ちに中止しました。

文豪・松本清張の代表作『或る「小倉日記」伝』(1952年)の作中でも、「ふじのような美人を得たことは、いわば漁夫の利といえないこともなかった」と引用されているように、近代以降の日本文学や論評においても、対立や混乱の間隙を突いて果実を得る象徴的な表現として定着しています。

伊藤 翔太

伊藤 翔太

フード&トラベルライター

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。

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