睡蓮とハスの違いとは?葉や花の決定的な見分け方と生態の真相
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植物観察会や庭園取材の現場で解説員が口を揃えて強調するのが、両者の系統進化における圧倒的な隔たりです。かつて形態分類学(新エングラー体系など)では、水生生活に適応した外見の類似性から、ハスもスイレン科の一族として分類されていました。しかし、1990年代以降にDNA解析を基盤とする分子系統学(APG分類体系)が確立されたことで、植物学界に激震が走りました。
最新の分類体系において、睡蓮は被子植物の最も初期に分岐した原始的な系統である「スイレン目・スイレン科(Nymphaeaceae)」に位置付けられます。およそ1億3000万年前の白亜紀前期にはすでに地球上に存在していた生きた化石に近い存在です。対するハスは、真正双子葉類の中の「ヤマモガシ目・ハス科(Nelumbonaceae)」に分類されます。遺伝子的には、街路樹としておなじみのプラタナス(スズカケノキ科)や、オーストラリア原産のプロテアと同じグループに属しています。
つまり、睡蓮とハスが似ているのは共通の祖先を持つからではなく、異なる出自の植物が「泥深い淡水域」という過酷な環境に適応した結果、偶然にも似た形態を獲得した「収斂進化(しゅうれんしんか)」の産物に過ぎません。人間で例えるなら、魚類とイルカ(哺乳類)が見た目は似ていても全く異なる進化を遂げた関係性と同じです。