脳梗塞の前兆チェックシート|見逃せない初期症状と命を救う判断基準
脳梗塞の前兆チェックシート|見逃せない初期症状と命を救う判断基準の要点を分かりやすくまとめてご紹介します。
脳梗塞の前兆を巡る最大の落とし穴が、「数分から数十分で症状が完全に消えてしまう」現象です。これを医学用語で一過性脳虚血発作TIA(Transient Ischemic Attack)と呼びます。一時的に小さな血栓が血管を塞いだものの、自走する線溶現象によって血栓が溶けたり押し流されたりして、血流が自然再開した状態を指します。
「治ったから病院に行かなくていい」と判断してしまう人が大半を占めますが、これは大惨事の前の警笛に他なりません。日本脳卒中学会の臨床データによると、TIAを発症した患者の約10〜15%が90日以内に本格的な脳梗塞を発症し、そのうちのおよそ半数は発症から48時間以内に起きているという厳然たる事実が存在します。TIAはいわば「脳梗塞の予告通知」であり、この段階で速やかに抗血栓療法などの適切な治療を開始できれば、大半の大発作は未然に防ぐことが可能です。
自覚症状がまったくないまま進行する病態にも注意を払わなければなりません。それが「無症候性脳梗塞」、いわゆる隠れ脳梗塞です。隠れ脳梗塞の早期発見法として確立されているのは、頭部MRI検査(特にDWI:拡散強調画像やFLAIR画像)およびMRAによる微小脳血管の画像診断です。自覚症状がない段階で細い血管(ラクナ梗塞巣)が閉塞を繰り返していると、将来的な認知機能低下や、広範な主幹動脈閉塞を引き起こす土壌が形成されます。50歳を過ぎたら定期的な脳ドックや、頸動脈エコー検査による血管壁のプラーク肥厚度(IMT値)の測定を受けることが、サイレントキラーから身を守る実効的な防衛策となります。