体性痛とは?ズキズキ鋭い痛みの正体と内臓痛との違い・最新治療

体性痛とは?ズキズキ鋭い痛みの正体と内臓痛との違い・最新治療についての疑問解決ガイドをご紹介します。

臨床現場において、医師や看護師が痛みをアセスメントする際、最初に見極めるのが「体性痛」「内臓痛」「神経障害性疼痛」の判別です。同じ「腹部が痛い」という訴えであっても、腹壁の筋肉痛(体性痛)なのか、胃潰瘍や腸閉塞(内臓痛)なのか、帯状疱疹による神経の炎症(神経障害性疼痛)なのかによって、処方される薬剤や緊急度は180度異なります。

それぞれの痛みが持つ臨床的性質、痛みの伝達経路、鎮痛薬への反応性を以下の比較表にまとめました。

分類項目体性痛(表在痛・深部痛)内臓痛神経障害性疼痛発生部位・組織皮膚、皮下組織、骨、関節、筋肉胃、腸、肝臓、胆嚢、心臓などの管腔・実質臓器末梢神経、脊髄、脳などの神経系そのもの局在性(痛む場所の特定)極めて明瞭(指1本で示せる)極めて不明瞭(「お腹全体」と手のひらで示す)神経支配領域に沿って走る・放散する痛みの性質・表現ズキズキ、鋭い、刺すような、疼く重苦しい、ギューッと絞られるような、周期的な波ビリビリ、電気が走る、ピリピリ、ジンジン、灼熱感自律神経症状の合併通常は伴わない(激痛時の血圧上昇等を除く)高頻度で合併(冷や汗、悪心・嘔吐、顔面蒼白)知覚過敏、アロディニア(触れるだけで激痛)鎮痛薬への感受性NSAIDs(ロキソニン等)、アセトアミノフェンが著効鎮痙薬(ブスコパン等)やオピオイドが主選択肢神経障害性疼痛治療薬(プレガバリン等)が必要

痛みの鑑別において特に注意すべき現象が「関連痛(かんれんつう)」です。心筋梗塞を起こした患者が「左肩や背中が痛い」と訴えたり、尿管結石の患者が「股関節のあたりが激痛だ」と訴えたりするケースがこれに当たります。内臓から痛みを伝える神経線維が、脊髄の後角に入力する際、体表面の皮膚からの痛みを伝える神経と同じニューロンに合流(収束)して脳へ送られます。

結果として、情報を受け取った大脳皮質が「内臓ではなく、皮膚や筋肉が痛んでいる」と錯覚を起こします。これが「収束投射説」と呼ばれる関連痛の生理学的背景です。体性痛のように見えても、患部に直接の圧痛や熱感がなく、自律神経症状を伴っている場合は、背後に内臓の病態が隠れている可能性を疑わなければなりません。

渡辺 美咲

渡辺 美咲

ガジェット&アプライアンスライター

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。

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