体性痛とは?ズキズキ鋭い痛みの正体と内臓痛との違い・最新治療
体性痛とは?ズキズキ鋭い痛みの正体と内臓痛との違い・最新治療に関する基本知識を徹底的にまとめました。詳細を読もうことができます。
臨床現場において、医師や看護師が痛みをアセスメントする際、最初に見極めるのが「体性痛」「内臓痛」「神経障害性疼痛」の判別です。同じ「腹部が痛い」という訴えであっても、腹壁の筋肉痛(体性痛)なのか、胃潰瘍や腸閉塞(内臓痛)なのか、帯状疱疹による神経の炎症(神経障害性疼痛)なのかによって、処方される薬剤や緊急度は180度異なります。
それぞれの痛みが持つ臨床的性質、痛みの伝達経路、鎮痛薬への反応性を以下の比較表にまとめました。
痛みの鑑別において特に注意すべき現象が「関連痛(かんれんつう)」です。心筋梗塞を起こした患者が「左肩や背中が痛い」と訴えたり、尿管結石の患者が「股関節のあたりが激痛だ」と訴えたりするケースがこれに当たります。内臓から痛みを伝える神経線維が、脊髄の後角に入力する際、体表面の皮膚からの痛みを伝える神経と同じニューロンに合流(収束)して脳へ送られます。
結果として、情報を受け取った大脳皮質が「内臓ではなく、皮膚や筋肉が痛んでいる」と錯覚を起こします。これが「収束投射説」と呼ばれる関連痛の生理学的背景です。体性痛のように見えても、患部に直接の圧痛や熱感がなく、自律神経症状を伴っている場合は、背後に内臓の病態が隠れている可能性を疑わなければなりません。