大人の歯は何本が正解?28本と32本の違いと足りない原因の真相
大人の歯は何本が正解?28本と32本の違いと足りない原因の真相について知っておくべき ポイントを分かりやすく解説いたします。
永久歯が28本揃っていることの真の価値は、高齢期を迎えたときにどれだけの歯を残せるかという点にある。日本歯科医師会と厚生労働省が推進する「8020(ハチマルニイマル)運動」は、「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という国民的健康運動である。
なぜ「20本」なのか。昭和・平成から蓄積された咀嚼機能研究により、20本以上の自前の歯が残っていれば、ほとんどの固い食べ物を噛み砕き、味覚や食感を損なわずに美味しく食事を摂取できることが実証されているためだ。歯が19本以下に減少すると、肉類やかまぼこ、繊維質の野菜などが噛み切りにくくなり、炭水化物に偏った低栄養状態やサルコペニア(筋力低下)、さらには認知症のリスクが跳ね上がることが疫学的に証明されている。
厚生労働省が発表している「歯科疾患実態調査」の推移を見ると、8020運動の達成率は開始当初(平成元年)の10%未満から、近年では50%を超える水準(2人に1人が達成)へと劇的に向上した。しかし、年齢別の大人の歯の平均本数を見ると、依然として50代後半から歯周病の重症化によって急速に歯を失うカーブが確認できる。大人の歯の平均本数は50代で約24〜26本、60代で約20〜22本、70代で約15〜18本と低下していくのが現状のリアルである。
【プロの処方箋:今すぐ歯科受診すべき人と現状維持でよい人の判断基準】▼すぐに歯科医院でパノラマレントゲンを撮るべき人:
- 大人になっても子どもの頃の歯が残っている感覚がある、または永久歯が抜けた後に生えてこなかった記憶がある人
- 親知らずの周辺が定期的にうずく、フロスを通すと異臭がする、または奥歯の間に物が詰まりやすい人
- 過去5年以上、歯全体のレントゲン撮影を伴う定期健診を受けていない20代〜40代
▼日常の丁寧なホームケアと年2〜3回の定期検診で十分な人:
- すでに歯科で歯式(全体の歯の配置)を確認済みで、親知らずの抜歯・温存方針が確定している人
- 毎食後のブラッシングに加え、デンタルフロスや歯間ブラシを毎日正しく使用できている人