アジアNiesとは何か?四小龍の現在と激変する世界経済の真相
アジアNiesとは何か?四小龍の現在と激変する世界経済の真相について押さえておきたい 事実を分かりやすい構成で解説いたします。
経済学や国際政治においてアジアNIES(Newly Industrializing Economies)とは、アジアにおいて第二次世界大戦後に目覚ましい工業化と経済成長を達成した4つの国と地域、すなわち韓国、台湾、香港、シンガポールの総称です。中華圏ではその力強い飛躍を龍に例え、アジア四小龍(Four Asian Tigers / Four Little Dragons)と称され、国際機関や多国籍企業から熱い視線を浴びてきました。
歴史的な呼称の変遷を振り返ると、もともとは1970年代にOECD(経済協力開発機構)が提唱した「NICs(Newly Industrializing Countries=新興工業国)」という呼称が使われていました。しかし、1988年に開催されたトロント・サミット(主要国首脳会議)において、大きな転換点が訪れます。台湾(中華民国)の国家承認を巡る政治的配慮や、当時は英国領であった香港の法的地位を勘案し、主権国家を意味する「Countries」から、地域や経済単位を含む「Economies」へと名称が差し替えられた経緯があります。現在、公的機関や教科書で新興工業経済地域と訳されるのは、この極めて現実的な国際外交の産物です。
1960年代初頭、これらの国・地域は資本も天然資源も乏しく、植民地支配の傷跡や戦争の爪痕、あるいは狭小な国土という重い制約を背負っていました。しかし、わずか四半世紀あまりで世界の製造工場および国際金融ハブへと駆け上がった軌跡は、国際経済学における「東アジアの奇跡(East Asian Miracle)」として今なお研究対象となっています。