『おしん』作造役・伊東四朗の衝撃!喜劇王が残した伝説と現在
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当時、伊東四朗といえば「電線音頭」や「しらけ鳥音頭」で日本中を沸かせていたトップコメディアンでした。バラエティの第一線で活躍していた伊東四朗に、重厚なドラマの要となる作造役のオファーが舞い込んだ際、本人は大きな戸惑いと強いプレッシャーを感じたといいます。
脚本を手掛けた橋田壽賀子は、単に怖いだけの父親ではなく、「貧しさゆえに鬼にならざるを得ない人間の悲哀」を表現できる人物として伊東四朗に着目しました。喜劇を極めた者だけが持つ人間観察の深さと間(ま)の巧みさを、橋田は見抜いていたのです。伊東四朗は当時のパブリックイメージを完全に脱ぎ捨て、眉間に深い皺を刻み、泥にまみれた過酷な生活感を徹底的に身体へ叩き込んで撮影に挑みました。その鬼気迫る演技力と評判は業界内外に衝撃を与え、喜劇役者から本格派の名優へと脱皮を果たす決定打となりました。