暴かれるタブー:ホッテントットの正体と見世物にされた命の記録

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この残酷な歴史の暗部を、容赦のないリアリズムで映像化したのが、チュニジア出身の名匠アブデラティフ・ケシシュ監督による映画『ブラック・ヴィーナス 殺されるヴィーナス』(2010年)だ。本作はサラ・バートマンが辿ったロンドンでの見世物興行からパリでの悲惨な最期、そして解剖台に至るまでの軌跡を、観客を共犯者に仕立て上げるような緊迫感あふれる長回しで描き出している。

映画の中で暴かれるのは、当時の見世物小屋の客たちだけでなく、スクリーンを見つめる私たち自身の「見る欲望」だ。観客は、他者の身体を珍奇なモノとして消費する群衆の暴力的なまなざしを突きつけられ、映像メディア・映画産業が歴史的に担ってきた「差別的視線」の罪深さを直視させられる。この作品は単なる歴史劇を超え、メディアが持つ暴力性に対する根源的な批評となっている。

現在、本作や関連する歴史ドキュメンタリーは、Amazon Prime VideoやU-NEXTといった国内の主要動画配信プラットフォームでも鑑賞可能となっている。安全な場所から他者を観察し、娯楽として消費する行為がいかに人間の精神を損なうか――配信サービスを通じて誰もが手軽に映像へアクセスできる現代だからこそ、この映画が投げかける告発はかつてない重みを持って響く。

渡辺 美咲

渡辺 美咲

ガジェット&アプライアンスライター

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。

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