ミノはどこの部位?牛の第一胃の真実と上ミノの違い・極上焼き方を徹底解剖
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牛は反芻(はんすう)動物であり、一度飲み込んだ牧草を胃から口へ戻して噛み直す特殊な消化器官を持っています。その消化システムの最前線にして最大の容積を誇る器官こそが、焼肉で親しまれている「牛の第一胃」=ミノです。
成牛の第一胃は容積にして100リットルから150リットル以上、胃袋全体の約8割を占める巨大な袋状の組織です。牛はこの第一胃の中に共生する無数の微生物の力を借りて、硬い植物繊維(セルロース)を発酵・分解しています。その巨大な内容物を絶え間なく撹拌(かくはん)し続ける必要があるため、第一胃の壁面は非常に強靭で発達した平滑筋組織で覆われています。この分厚く引き締まった筋繊維こそが、ミノ特有の心地よい歯ごたえを生み出す源泉です。
印象的な「ミノ」という呼び名の語源は、日本の伝統的な雨具である「蓑(みの)」に由来します。第一胃の内壁を切り開いて広げた際、表面にびっしりと並ぶ無数の絨毛(じゅうもう=突起組織)の様子が、藁(わら)を編んで作られた雨具の蓑に酷似していたことから、食肉市場の職人たちの間で自然とそう呼ばれるようになりました。ホルモン文化が定着した昭和期以降、この呼び名が全国の焼肉店へと浸透していった経緯があります。