日本の工業地帯で何が起きた?出荷額ランキング激変と勢力図の真相
日本の工業地帯で何が起きた?出荷額ランキング激変と勢力図の真相の基礎知識と応用に迫る! わかりやすい言葉で紐解きます。
日本の大動脈として教科書に登場する太平洋ベルト 現在の状況も、一様な発展を続けているわけではありません。関東から東海、近畿、瀬戸内を経て九州北部に至るこの帯状地域は、かつて日本全土の出荷額の7割以上を占めていましたが、現在は拠点ごとの「濃淡」が極めて激しくなっています。
特筆すべきは、北九州工業地帯 歴史 転換のドラマです。1901年の官営八幡製鐵所の操業開始とともに、日本の近代化・高度経済成長の礎を築いた北九州は、かつて四大工業地帯の筆頭格でした。しかし、エネルギー革命による「石炭から石油へ」の転換、鉄鋼不況、そしてアジア勢との価格競争により、八幡の火は次第に縮小を余儀なくされました。その結果、全国シェアが数パーセントにまで落ち込み、現在の学校教育では「四大工業地帯」から外され、「北九州工業地域」と表記されるケースが一般的となっています。
だが、北九州は単に衰退したわけではありません。公害を克服した技術的バックボーンを生かし、廃棄物ゼロを目指す「エコタウン事業」を立ち上げ、環境・リサイクル産業の先進地として世界的評価を獲得しました。加えて近年では、九州全体が「シリコンアイランド」として再脚光を浴びる中、自動車組立工場や半導体関連のサプライヤーが北九州港周辺に再結集する動きを見せています。
同じく太平洋ベルトの中核を成す瀬戸内工業地域 石油化学コンビナート(岡山県水島、山口県周南、広島県福山など)も、エネルギー転換期における構造改革を急いでいます。巨大タンカーが接岸できる深い水深と温暖な気候を生かした製油所やナフサ分解プラントは、長年日本の素材産業を支えてきましたが、現在は水素・アンモニアサプライチェーンの構築や、バイオプラスチック製造への設備転換が急ピッチで進んでいます。