「世論」は「よろん」「せろん」どっち?元は別語だった真相と使い分け
「世論」は「よろん」「せろん」どっち?元は別語だった真相と使い分けについて見逃せない 理由を分かりやすい構成で解説いたします。
「読み方が2つある」という現象の背景には、もともと意味も漢字も異なる2つの独立した言葉が存在していたという日本語の歴史があります。
明治から大正、昭和初期にかけて使われていたのは以下の2語でした。
1. 輿論(よろん)
「輿(よ)」は「輿(かご)」や「大地・みんな」を意味する漢字で、「輿論」は「民衆全体の意見」「公衆の理知的な議論」を指していました。英語のPublic Opinionの翻訳語として福沢諭吉らが定着させ、政治的・社会的な判断を含む公の意見というポジティブで客観的なニュアンスを持っていました。
2. 世論(せろん)
「世(せ)」は世間や世の中を指し、「世論」は「世間の噂話」「巷の評判」「大衆の感情的な空気」を意味していました。英語で言えばPopular Sentimentに近く、理路整然とした主張というよりも、情緒的で移ろいやすい世間の風潮を指す言葉でした。
つまり、かつての日本において「よろん(輿論)」と「せろん(世論)」は明確に使い分けられていた概念だったのです。