サー・ジョン・ソーンズ美術館完全解説|ロンドン屈指の穴場迷宮と予約術
サー・ジョン・ソーンズ美術館完全解説|ロンドン屈指の穴場迷宮と予約術を徹底追究! 知っておきたい 情報と解説を凝縮して配信します。
館内には3万点を超える絵画、彫刻、建築図面、アンティークが所狭しと配置されています。その中でも必ず鑑賞すべきハイライトを整理しました。
1. 開閉式パネルの仕掛けが驚異的な「ピクチャー・ルーム(Picture Room)」
わずか数畳ほどの小部屋ですが、壁面自体が蝶番で開く「動く壁(フォールディング・スクリーン)」構造になっています。この仕掛けにより、狭い空間でありながら数百点もの絵画を収容可能にしています。ここには、英国の風刺画家ウィリアム・ホガースの代表作である連作『放蕩一代記(A Rake's Progress)』や『選挙(The Election)』の原画が収められています。学芸員がパネルを開閉するデモンストレーションの瞬間は、鑑賞者から感嘆の声が上がる名場面です。
2. 地下墓地に眠る白亜の至宝「セティ1世の石棺」
地下深くのクリプト(納骨堂エリア)中央に鎮座するのが、紀元前13世紀の古代エジプト第19王朝ファラオ、セティ1世のアラバスター製石棺です。大英博物館が予算都合で購入を見送った際、ソーンが私財2,000ポンド(当時としては天文学的金額)を投じて買い取ったという逸話を持ちます。半透明の石肌にはヒエログリフが精密に刻まれており、館内でも異彩を放つ神秘的な空気を醸し出しています。
3. 光と鏡が織りなす「ブレックファスト・パーラー」と「ドーム・エリア」
ソーン建築の真骨頂といえるのが、自然光の巧みなコントロールです。浅いドーム天井に仕込まれたコンベックス・ミラー(凸面鏡)や色ガラスの天窓によって、限られた敷地の中に無限の奥行きと劇的な陰影が創り出されています。