大腿骨頸部骨折の人工骨頭置換術とは?手術時間・入院期間と脱臼リスク
大腿骨頸部骨折の人工骨頭置換術とは?手術時間・入院期間と脱臼リスクの基礎知識と応用に迫る! 専門的な視点でまとめました。
人工骨頭置換術を受けた後に最も注意しなければならない偶発症が「脱臼」です。設置された人工の骨頭が、骨盤の受け皿(臼蓋)から外れてしまう現象で、特に筋肉や関節包が治癒していない術後2〜3ヶ月以内に起きやすい傾向があります。
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脱臼を防ぐためには、関節に無理なねじれや屈曲を加えない「禁忌肢位(きんきしい)」の理解が欠かせません。手術で股関節の後ろ側を切開した場合(後方アプローチ)、以下の動作が脱臼を誘発する危険な姿勢となります。
- 深くかがみ込んで床の物を拾う動作(股関節の過度な屈曲)
- 椅子に座って足を組む動作(内転・内旋)
- 床に座ってのあぐら、正座、横座り(お姉さん座り)
- 立ったまま靴下や爪切りを無理に行う姿勢
近年では、筋肉を切離せずに関節の前方からアプローチする手術法(前方進入法など)を取り入れる施設が増加しており、脱臼発生率は従来の3〜5%から1%未満へと大幅に低減しています。
患者が気にする人工骨頭の耐用年数(寿命)については、素材技術の進化により15年〜20年以上機能します。80歳前後で手術を受けた場合、生涯にわたって再置換(入れ替え手術)を必要としないケースが大半です。術後の後遺症として太ももや殿部の鈍痛が残ることもありますが、多くは筋肉の回復やリハビリの継続によって数ヶ月以内に軽減していきます。