薬の「忍容性」とは?安全性や有効性との違いと治験の基準をプロが解説
薬の「忍容性」とは?安全性や有効性との違いと治験の基準をプロが解説の真相や最新動向に迫る! 専門的な視点でご紹介しています。
医薬品開発のプロセスである治験(臨床試験)において、忍容性の評価は開発の初期段階から極めてクリティカルな役割を果たします。特にヒトに初めて新薬を投与する第1相臨床試験(Phase 1)の主目的は、薬の体内動態を調べることと並んで「忍容性と安全性の限界を見極めること」にあります。
治験では、薬の投与量を少量から段階的に増やしていき、どのような有害事象(薬との因果関係を問わず、投与後に生じる好ましくない医療上の出来事)や副作用が現れるかを厳密にモニタリングします。この過程で設定される重要な指標が用量制限毒性(DLT: Dose-Limiting Toxicity)です。
DLTとは、これ以上薬の量を増やすと患者の身体が耐えられなくなると定義された特定の毒性基準を指します。医薬品開発の国際的ガイドライン(ICHガイドラインなど)や各国の薬事規制に則り、DLTが一定割合の被験者で発生した投与量の一つ手前の用量を「最大耐用量(MTD: Maximum Tolerated Dose)」と推定し、以降の第2相・第3相試験へと進む推奨投与量を決定します。