なぜクリームシチュー定食はご飯に合わないのか?松屋論争の真相

なぜクリームシチュー定食はご飯に合わないのか?松屋論争の真相の疑問点について、分かりやすい解説を詳しくお届けします。

日本人の主食である白米には、古くから「塩気の強いおかず」「タレが絡む肉や魚」を合わせ、口の中で米の甘みと混ざり合わせる「口中調味(こうちゅうちょうみ)」の習慣が根付いています。ところが、一般的なクリームシチューはブイヨンや牛乳、生クリームをベースに仕立てられており、塩分濃度はおよそ0.8〜1.0%前後とスープ単体として美味しく飲める設計になっています。これがシチューおかずにならない理由の根幹です。醤油や味噌のように米のデンプンを分解して旨みを引き立てる塩気や酸味が決定的に不足しているため、白米が進まないと感じる層が一定数生まれます。

その火種に油を注いだのが、大手外食チェーン松屋が提供した松屋クリームシチュー定食でした。多くの利用者が驚愕したのは、洋風の白いシチューの隣に、湯気を立てるジャパニーズ・ソウルフード「味噌汁」が当たり前のように鎮座していた光景です。

「汁物に汁物を重ねる暴挙ではないか」とネット上で物議を醸しましたが、この味噌汁付き理由について松屋フーズ関係者の証言やこれまでの事業方針を辿ると、極めて合理的かつ頑固な理由が浮かび上がります。松屋では創業以来「店内飲食の定食・丼にはすべて味噌汁を無料サービスする」という強固なオペレーション原則を敷いています。例外を作って現場のオペレーションを複雑化させるコストを避け、同時に「松屋に来た顧客には温かい味噌汁を届ける」というブランド価値を優先した結果、あのシュールな定食スタイルが完成したのです。

中島 亮太

中島 亮太

写真家・フォトエディター

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。

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