頭皮のかさぶたは剥がすな!脂漏性皮膚炎が治らない理由と最新治療法
頭皮のかさぶたは剥がすな!脂漏性皮膚炎が治らない理由と最新治療法の全体像を分かりやすくまとめてご紹介します。
洗髪を念入りに行っているにもかかわらず頭皮のかさぶたや湿疹が治らない場合、清潔さの問題ではなく、頭皮環境の生態系(マイクロバイオーム)の崩壊を疑う必要があります。その中心的な引き金となっているのが、ヒトの皮脂腺に常在する酵母様真菌「マラセチア(Malassezia)」です。
マラセチア菌は皮脂に含まれるトリグリセリド(中性脂肪)をエサとして分解し、遊離脂肪酸を生成します。皮脂の分泌量が適正であれば無害ですが、ホルモンバランスの乱れ、過度なストレス、睡眠不足、高脂質な食生活などによって皮脂が過剰供給されると、マラセチア菌が異常増殖を始めます。その結果、大量に生み出された遊離脂肪酸が刺激物質となって表皮細胞を攻撃し、頭皮に持続的な炎症を引き起こします。
炎症を起こした頭皮は、異物を急速に排出しようと防御反応を強め、通常は約28日周期である頭皮のターンオーバー(新陳代謝)をわずか数日〜1週間程度にまで異常加速させます。十分に成熟していない未熟な角質細胞が未消化のまま塊となって剥がれ落ち、皮脂や浸出液と混ざり合うことで、黄色がかった湿ったフケやかさぶたへと変化するのです。
また、「頭皮のかさぶたから酸化したような独特の嫌な臭いがする」という声も多く聞かれます。この頭皮のかさぶたの臭いは、過剰な皮脂が空気に触れて酸化する過程に加え、増殖したマラセチア菌や皮膚常在菌が皮脂・角質を分解する際に発する揮発性脂肪酸が原因です。単に洗浄力を強めて洗い流そうとすると、必要な皮脂まで奪われてバリア機能が低下し、防衛反応として皮脂分泌がさらに増えるという泥沼にはまります。