目の急なできもの・白いしこりの正体と治し方|痛みの有無でわかる対処法
目の急なできもの・白いしこりの正体と治し方|痛みの有無でわかる対処法に関する注目トピックをまとめてご紹介します。関心のある方は必見です。
臨床現場やSNSの相談コミュニティで頻繁に見受けられるのが、「目のできものは放置していれば自然に治るのか」「学校や職場で周囲に感染させないか」という疑問です。日本眼科学会のガイドラインおよび疫学知見を基に、その実態を検証します。
「ものもらいはうつる」は医学的な誤解
結論から申し上げますと、麦粒腫や霰粒腫が他人にうつることは一切ありません。麦粒腫の原因となる黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌は、健康な人の皮膚や粘膜にも日常的に存在する常在菌です。疲労、睡眠不足、ストレス、免疫力低下などが引き金となって自身の常在菌が毛穴で増殖する「内因性のトラブル」であるため、プールへの入水やタオルの共用によって他者へ感染が広がる性質のものではありません。
ただし、アデノウイルス等を原因とする「流行性角結膜炎(はやり目)」は極めて強力な感染力を持っています。目やにが大量に出る、充血が著しい、耳の前のリンパ節が腫れるといった症状が重なる場合は、感染性結膜炎を疑い厳重な接触予防策を講じる必要があります。
自然治癒に頼るリスクと「しこりの器質化」
ごく初期の軽微な麦粒腫であれば、患部を清潔に保ち十分な休息を取ることで、白血球の免疫反応により自然治癒する場合もあります。しかし、自己判断で1週間以上放置を続けると、膿瘍(膿の袋)が深部に拡大し、皮膚を破って排膿した後に目立つ傷跡を残すことがあります。
さらに警戒すべきは霰粒腫です。初期の炎症が引いた後も、硬い肉芽が「線維性被膜」に包まれて器質化(固定化)してしまうと、点眼薬や内服薬が届きにくくなり、半年〜数年にわたってしこりが消えなくなります。大きなしこりが角膜を圧迫すると、不正乱視を引き起こして視力低下を招くケースも報告されています。