須磨浦山上遊園の閉園疑惑と日本一揺れるカーレーターの真価を追う

須磨浦山上遊園の閉園疑惑と日本一揺れるカーレーターの真価を追うにまつわる役立つ知識を詳しく紐解きます。

須磨浦山上遊園を語る上で絶対に外せないのが、ロープウェイ山頂駅と回転展望閣を結ぶ輸送機関「カーレーター」です。1966年(昭和41年)に開通したこの乗り物は、ベルトコンベアの上に2人乗りのカゴ(ゴンドラ)を乗せ、勾配25度の急斜面をガタゴトと登っていく特殊な輸送システム。かつてはびわ湖サンケイバレイ(現・びわ湖バレイ)など国内数カ所にも導入されましたが、現存して営業運行を続けているのは世界中を探しても須磨浦山上遊園のこの1基のみです。

実際に乗り込むと、スタート直後から背骨に響くような激しい振動が襲いかかります。乗り心地を良くしようという現代の工学的配慮とは対極にある、無骨なギアの噛み合いとコンベアの衝撃。施設側も開き直り、「乗り心地の悪さは日本一」という自虐的な看板を堂々と掲出しています。この強烈なアナログ感が、均質化されたテーマパークに飽きた人々の琴線を激しく刺激しているのです。

カーレーターを登り切った先で出迎えてくれるのが、1958年(昭和33年)に開業した「回転展望閣」です。3階の喫茶スペース「コスモス」に入ると、床が約45分かけてゆっくりと360度回転する円形フロアが現れます。席に座ってクリームソーダや珈琲を味わっているだけで、大阪湾、神戸空港、遠くは関西国際空港や淡路島、明石海峡大橋までがパノラマ状に視界を横切っていきます。

さらに山頂部へと足を伸ばせば、一人乗りの「観光リフト」が谷を越えてゆったりと運行しています。足元に広がる四季折々の草花や、潮風を肌で直接感じながら進む空中散歩は、最新鋭のライド系アトラクションでは決して得られない、剥き出しの風情と心地よいスリルに満ちています。

加藤 愛美

加藤 愛美

エンタメ専門ジャーナリスト

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。

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