プロ直伝バイ貝煮付けの極意!肝まで綺麗に抜く下処理と黄金比
プロ直伝バイ貝煮付けの極意!肝まで綺麗に抜く下処理と黄金比に関する主要なデータを分かりやすく解説いたします。
バイ貝を調理する上で、味の違いだけでなく食品安全の観点から絶対に知っておかなければならないのが「白バイ貝と黒バイ貝の違い」です。市場で単に「バイ貝」として並んでいる貝には、生物学的に全く異なる種が混在しています。
一般に関西や北陸で親しまれる「本バイ(クロバイ)」はバイ科に属し、殻が厚く黒褐色で光沢があります。身が引き締まり、煮付けにすると濃厚なコクと強い磯の香りが楽しめます。一方、市場で「白バイ」と呼ばれるエッチュウバイやオオエッチュウバイはエゾバイ科に属し、殻が薄く白みがかっており、刺身にすると甘みが際立ち、煮てもふっくらと柔らかい食感が特徴です。
ここで極めて重要になるのが、「バイ貝の唾液腺と毒の処理」です。エゾバイ科の巻貝(いわゆるツブ貝類や一部の大型白バイ貝)の肉質部(足)の奥には、「唾液腺」と呼ばれるクリーム色・淡黄色の脂のような組織が存在します。この唾液腺にはテトラミンという自然毒(神経毒)が含まれている場合があります。
厚生労働省の食品衛生資料によると、テトラミンは耐熱性が高く、一般的な煮沸加熱を行っても分解されません。テトラミンを摂取すると、食後30分〜2時間程度で頭痛、めまい、酩酊感(酒に酔ったようなふらつき)、視覚異常などの症状を引き起こします。死亡例はないものの、激しい不快感を伴うため、「テトラミン中毒の予防と安全対策」は調理者の必須知識です。
本バイ(黒バイ)にはテトラミンが含まれないため、丸ごと煮付けて肝まで全て食べることが可能です。しかし、殻長が7cmを超えるような大型の白バイ貝やツブ貝を使用する場合は、煮付ける前に殻を割って身を取り出し、身を縦に切り開いて内部にある左右一対の淡黄色・米粒〜大豆状の唾液腺を完全に取り除くか、煮付けた後に食べる人が唾液腺を取り除けるよう注意喚起を行う必要があります。安全に丸ごと煮付けを楽しむなら、毒性のない小ぶりな本バイ(黒バイ)を選ぶのが鉄則です。