なぜ2つある?古事記と日本書紀の決定的な違いと神話の真相

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「なぜほぼ同じ時代に2つの歴史書が必要だったのか」――この核心に対する答えは、「誰に向けて書かれたか(想定読者)」と「何のために使われたか(編纂目的)」の劇的な違いに集約されます。

古事記のターゲットは、あくまでも「国内の天皇・皇族・有力豪族」です。皇室の祖先が神話の時代からどのように日本列島を統治する正統性を得たのか、皇統のプライベートな起源を内輪に納得させ、王権への忠誠を固めるためのアイデンティティの書でした。そのため、神々の生々しい感情や失敗談、恋愛劇、美しい和歌などが生き生きと残されています。

対する日本書紀のターゲットは、「唐(中国)や新羅をはじめとする対外諸国」です。当時の東アジアは、大国・唐が覇権を握る厳しい国際秩序の中にありました。日本は「野蛮な小国ではなく、中国王朝に匹敵する悠久の歴史と高度な法体制を備えた一人前の文明国『日本』である」と世界に向けて主張する必要に迫られていたのです。外交官が見せても恥ずかしくない対外アピール用のオフィシャルレコード、それが日本書紀でした。

佐藤 大輔

佐藤 大輔

シニアコンテンツプロデューサー

最新のテクノロジーと生活デザインの融合をテーマに、国内外の最新トピックを発信しています。

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