「いくら食べても太れない体質」の真相と科学的に体重を増やす克服法

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「大食いしても翌朝には体重が戻っている」という現象に直面すると、摂取したエネルギーはどこへ消えてしまったのかと疑問を抱くはずです。人間が体重を増やすためには「摂取エネルギー > 消費エネルギー」の不等式を成立させる必要がありますが、太れない人の体内では、食事から得た栄養を効率よく組織へと変換できない生理的障壁が存在しています。

最大の要因の一つが、消化吸収能力の低下です。食物は胃で細かく破砕・攪拌され、十二指腸や小腸で消化酵素によって分解された後、絨毛(じゅうもう)から毛細血管やリンパ管へと吸収されます。しかし、太りにくい体質の人は腸管の絨毛密度や酵素分泌能が低く、どれほど高カロリーな食事を摂取しても、栄養素の多くが吸収されずに体外へ排出されてしまいます。

また、臨床の現場で頻繁に見られるのが「胃下垂」との関連です。胃が正常な位置よりも下垂している状態そのものが直接栄養をブロックするわけではありませんが、胃の蠕動(ぜんどう)運動が低下しやすく、早期膨満感や胃もたれを引き起こす要因となります。その結果、本人は「たくさん食べた」と感じていても、1日全体の総摂取カロリーを計算すると必要量に届いていないケースが多々あります。

医学界においても、太れない体質への理解は急速に進んでいます。フランスのBailly氏らが2021年に発表した大規模メタ解析によると、医学用語でいう「体質性やせ(Constitutional Thinness)」は、神経性食思不振症(拒食症)などの摂食障害とは全く異なる生体メカニズムであることが証明されました。体質性やせの人は心理的な食への恐怖を持たず、正常な食欲を持ちながらも、生理学的に脂肪組織を蓄積しにくい代謝プロファイルを有していることが客観的事実として確立されています。

高橋 健太

高橋 健太

ライフスタイル編集者

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。

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