犬に噛まれたら何科を受診?応急処置と潜む感染症リスクの真実

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犬咬傷で警戒すべき病態は、局所の傷の痛みだけにとどまりません。潜伏期間を経て全身を蝕む重篤な感染症が存在します。

日本国内での発生は清浄国として厳格にコントロールされているものの、海外渡航先での受傷や輸入動物との接触では狂犬病感染リスクを完全にゼロとは言い切れません。狂犬病は発症後の致死率がほぼ100%に達するため、海外や感染疑いのある動物に噛まれた際は、発症前に抗体を獲得する曝露後ワクチン接種が必須となります。

国内の咬傷事故で極めて現実的な脅威となるのが、土壌や動物の口内に潜む破傷風菌です。幼少期に定期接種を受けていても、成人後は抗体価が低下しているケースが目立ちます。深部組織に達した傷口では菌が増殖しやすいため、医療機関では直近の接種歴を確認したうえで破傷風ワクチンの接種(破傷風トキソイドや抗破傷風ヒト免疫グロブリンの投与)が行われます。

さらに見過ごせないのが、犬の口腔内に常在するカプノサイトファーガ感染症です。健康な成人が発症する頻度は高くありませんが、高齢者や糖尿病、肝疾患などの基礎疾患を持つ人が感染すると敗血症や播種性血管内凝固症候群(DIC)を引き起こし、多臓器不全に至る恐れがあります。持病を抱える家族が噛まれた際は、たとえ甘噛み程度の傷であっても厳重な警戒が欠かせません。

中川 明日香

中川 明日香

ビジネス戦略アナリスト

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

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