馬の歯で年齢や健康が丸わかり?驚きの構造とケアの全貌を徹底解剖

馬の歯で年齢や健康が丸わかり?驚きの構造とケアの全貌を徹底解剖についての真相をお届けします。

馬の口内構造を解剖学的に観察すると、他の草食動物や肉食動物には見られない極めてユニークな特徴を持っています。その代表格が「性別による歯の本数の違い」と「歯の配置構造」です。

成馬の歯の本数は、一般的にオスが40本(狼歯がある場合は42本)、メスが36本(狼歯がある場合は38本)となっています。この4本の差を生み出しているのが、門歯(前歯)と臼歯(奥歯)の間に生える「犬歯(タッシュ)」の存在です。オスのほぼ100%に鋭い犬歯が生えるのに対し、メスでは退化して生えないか、生えても極めて小さな痕跡にとどまります。野生時代、オス同士が群れのボス争いや縄張り争いで噛み合う武器として機能していた名残だと考えられています。

馬の歯の全体構造は、主に以下の4種類で構成されています。

  • 門歯(切歯 / 切歯群):上下各6本(計12本)。草を地面際から食いちぎる鋭利なカッターの役割を果たします。
  • 犬歯(タッシュ):主にオスのみ上下各2本(計4本)。門歯の後方に位置します。
  • 狼歯(オオカミ歯 / 遺残前臼歯):上顎の前臼歯の手前に稀に生える小さな退化歯。馬具のハミが当たって激しい痛みの原因となるため、若馬の段階で抜歯されるのが一般的です。
  • 臼歯(奥歯 / 前臼歯・後臼歯):上下左右に各6本ずつ(計24本)。草や穀物をすり潰すための巨大な臼(うす)の構造を持ちます。

そして、人間と馬の歴史を決定づけた最大の構造的特徴が「歯槽間隙(しそうかんげき / バー)」と呼ばれるスペースです。門歯と臼歯の間には、約10cm前後にわたって歯が一切生えていない空白地帯が存在します。人間はこの自然が与えた隙間に金属製の棒である「ハミ(銜)」を噛ませることで、馬に過度な苦痛を与えることなく口元から繊細な指示を伝え、乗馬や馬車の使役を可能にしました。まさに人類の移動・輸送の文明史を支えた奇跡の空間といえます。

橋本 菜々子

橋本 菜々子

トレンドリサーチャー

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

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