イレウス管とは?胃管より苦しい理由と痛みを軽減する看護の真実
イレウス管とは?胃管より苦しい理由と痛みを軽減する看護の真実の真相について、分かりやすい解説を取りまとめてご紹介します。
イレウス管とは?胃管より苦しい理由と痛みを軽減する看護の真実について専門的な視点から解説いたします。専門家の見解をお届けします。
腸閉塞・イレウス治療法において、保存的治療(手術を行わない治療)の中心を担うのが減圧療法です。消化管内に貯留した大量の消化液やガスを体外へ排出し、腸管内の圧力を下げる処置ですが、臨床現場では患者の状態に応じて「胃管(マーゲンチューブ)」と「イレウス管(経鼻ロングチューブ)」が明確に使い分けられています。
最大の違いは、チューブの到達深度と構造です。胃管が鼻から胃の中(全長約120cm、外径4〜5mm程度)に留まるのに対し、イレウス管は幽門および十二指腸を越え、小腸の閉塞部位の直前(全長約300cm、外径5〜6mm程度)までダイレクトに到達します。胃管では胃液や胃内に逆流した液しか吸引できませんが、イレウス管はパンパンに拡張した病変局所の小腸液やガスを直接減圧できるため、閉塞部付近の虚血や穿孔を強力に防ぐ高い治療効果を発揮します。
項目胃管(マーゲンチューブ)経鼻イレウス管(ロングチューブ)臨床上の評価・現場の視点チューブの全長・太さ約120cm / 12〜14Fr(約4.0〜4.7mm)約300cm / 16〜18Fr(約5.3〜6.0mm)イレウス管は太く剛性があり、咽頭痛や鼻腔痛が格段に強い。先端の留置目標位置胃内(胃底・胃体部)小腸(空腸〜回腸の閉塞部直上)幽門を通過させトライツ靭帯を越え、小腸深部まで前進させる。挿入時の所要時間・手技病棟ベッドサイドで約5〜10分X線透視室または内視鏡併用で約30〜90分ガイドワイヤー操作や体位変換を駆使する高度な専門手技。先端部の特殊構造側孔のみ(単純構造)バルーン(水・蒸留水注入)+錘(ウエイト)腸管の蠕動運動を利用して自走前進させるためのバラスト機能。減圧効果の守備範囲胃内の減圧、吐気緩和、誤嚥防止小腸全体の直接減圧、浮腫改善、閉塞解除保存的軽快率は約70〜80%と報告され、手術回避の鍵を握る。