ハイムリック法の正しいやり方と注意点|乳児・妊婦の禁忌と救命法

ハイムリック法の正しいやり方と注意点|乳児・妊婦の禁忌と救命法のコツについて分かりやすく解説します。実践的なガイドをチェックしてください。

窒息応急処置をめぐる言説の中には、医学的根拠の薄い誤解や、状況を悪化させかねない盲点が放置されています。

誤解1:直立したまま背中を叩けば異物が出てくる
背部叩打法を行う際、傷病者の身体を起こしたまま(直立姿勢で)背中を叩いても、重力の影響で異物は気管の深部へと落下していきます。背部叩打を行う際は、傷病者の頭を胸部より低く前傾させる、あるいは膝の上にうつ伏せに倒れ込ませるなど、「重力を利用して異物が外へ落ちる角度」を作ることが絶対条件です。

誤解2:異物が取れたら病院へ行く必要はない
ハイムリック法によって異物が排出され、本人が呼吸を取り戻して平穏そうに見えたとしても、そこで処置を終了してはなりません。成人の力で腹部を強く突き上げた場合、外見上は無傷に見えても、後から腹腔内出血や消化管の微細な損傷が悪化する事例が存在します。ハイムリック法を実施した場合は、異物の排出成否にかかわらず、救急隊に処置の事実を伝え、医療機関での画像診断を受けるのが鉄則です。

誤解3:意識を失っても異物除去を継続する
気道異物除去の試行中に傷病者がぐったりとして意識を失った場合、ハイムリック法や背部叩打法を続けてはなりません。意識消失を確認した瞬間、直ちに通常の心肺蘇生(CPR:胸骨圧迫)へと手技を切り替えます。胸骨圧迫そのものが胸腔内圧を高め、異物を押し出す効果を持つと同時に、脳への血流維持を最優先するためです。

山崎 陸

山崎 陸

ガジェット&アプライアンスライター

最新のテクノロジーと生活デザインの融合をテーマに、国内外の最新トピックを発信しています。

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