人身事故の損害賠償はいくら?相場と算定基準の真相【2026年最新】

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一般に「慰謝料」と「損害賠償」という言葉は混同されがちですが、慰謝料は損害賠償という巨大な枠組みの「一部」に過ぎません。損害賠償の内訳と計算方法を正しく把握していなければ、保険会社が本来支払うべき費目を意図的に除外、あるいは過小評価していても気付くことができません。損害賠償は大きく分けて以下の3つの損害で構成されています。

第1に「積極損害」です。事故によって被害者が直接的に支出を余儀なくされた実費を指します。具体的には、診察料・投薬料・手術費用などの治療関係費、通院交通費(電車・バスの実費、自家用車の場合は1kmあたり15円のガソリン代、歩行困難な場合のタクシー代)、医師の診断書や後遺障害診断書などの文書料、重傷時の付添看護費や入院雑費(自賠責基準で1日1,100円、弁護士基準で1日1,500円)が含まれます。

第2に「消極損害」です。事故に遭わなければ本来得られたはずの経済的利益の喪失を意味し、主に「休業損害」と「逸失利益」の2つに分かれます。

休業損害の計算方法は、被害者の就労形態によって異なります。給料所得者の場合、事故前3ヶ月間の給与総額を90日で除した「1日あたりの基礎収入」に通院や入院による休業日数を乗じて算出します。自営業者の場合は前年の確定申告書における所得額を基準とし、休業中も支払わざるを得なかった店舗家賃や人件費などの固定費も一定限度で加算対象です。

見落とされがちなのが、専業主婦や兼業主婦などの家事従事者に対する休業損害です。自賠責基準では一律で1日あたり6,100円(原則)と機械的に計算されますが、弁護士基準では厚生労働省の賃金構造基本統計調査(賃金センサス)における全女性労働者の平均賃金を基礎収入として適用します。年収換算でおよそ390万〜400万円前後(日額約10,000〜11,000円)が基礎収入として認められるため、主婦の休業損害は基準の選択だけで受取額が倍増します。

さらに消極損害のなかで最も高額になりやすいのが、後遺障害等級認定と逸失利益です。懸命な治療にもかかわらず症状固定時に身体へ障害が残った場合、適正な等級認定(第1級〜第14級)を受けることで、将来にわたって減少する労働対価を「後遺障害逸失利益」として一括請求できます。計算式は「基礎収入 × 労働能力喪失率 × 労働能力喪失期間に応じたライプニッツ係数」で算出され、働き盛りの世代や重度の後遺障害(神経麻痺、失明、高次脳機能障害など)では逸失利益だけで5,000万円を超えるケースも少なくありません。

第3が、精神的苦痛に対する対価である「精神的損害(慰謝料)」です。これには治療期間に応じて発生する「入通院慰謝料」、後遺障害が残存した場合の「後遺障害慰謝料」、そして死亡事故における「死亡慰謝料」が存在します。

山口 彩花

山口 彩花

写真家・フォトエディター

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

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