膝と股関節の痛みの黒幕「縫工筋」とは?鵞足炎の真相と改善法
膝と股関節の痛みの黒幕「縫工筋」とは?鵞足炎の真相と改善法に関する質問を丁寧にまとめました。詳細な解説をご覧ください。
縫工筋は、骨盤の最前面にある突起「上前腸骨棘(ASIS)」から起始し、大腿部を斜めに横断しながら下降して、膝の内側下部(脛骨粗面の内側)に停止する、成人で全長約50cm前後に達する人体最長の筋です。その名称は、かつて洋服を仕立てる職人(縫工・テイラー)があぐらをかいて作業していた姿勢に深く関わっていることに由来しています。
解剖学における縫工筋の作用と役割は極めて多機能です。二関節筋(股関節と膝関節の2つをまたぐ筋肉)であるため、以下のような複合運動を一手に引き受けます。
- 股関節に対して:屈曲(太ももを持ち上げる)、外転(脚を外に開く)、外旋(太ももを外回りにひねる)
- 膝関節に対して:屈曲(膝を曲げる)、内旋(曲げた状態で下腿を内回りにひねる)
この一連の動きを同時に行った形こそが、まさに「あぐら(胡坐)」をかく姿勢です。したがって、股関節の硬さや違和感によってあぐらがかけない原因を突き詰めると、臀部や内転筋の硬縮だけでなく、縫工筋の柔軟性喪失や短縮が直接的なストッパーになっているケースが多々見受けられます。日常的に長時間の座り姿勢が続くと、縫工筋は縮こまった状態でロックされ、立ち上がろうとした瞬間に強い伸張ストレスに晒されることになります。