フジテレビの目玉マークはなぜ誕生した?40年続く意味とデザイナーの真相

フジテレビの目玉マークはなぜ誕生した?40年続く意味とデザイナーの真相について押さえておきたい 注意点を厳選して解説いたします。

フジテレビのシンボルについて多くの人が抱く最大の疑問、それは「なぜ人間の眼球をモチーフにしたのか」という点に尽きます。企業ロゴといえば抽象的な幾何学模様やアルファベットの頭文字をスタイリッシュに図案化するのが当時の主流でした。その定石を鮮やかに打ち破ったのが、あの有機的で生命力に満ちた目玉の造形です。

公式記録および当時の社史資料によると、目玉マークが誕生したのは1985年のことでした。当時、フジサンケイグループ(FCG)の若きリーダーとしてグループ改革の旗振りをしていた鹿内春雄議長の強力なリーダーシップのもと、大々的なCIプロジェクトが立ち上がります。それまでフジテレビ、産経新聞社、ニッポン放送、ポニーキャニオンなど、グループ各社がバラバラの社章やロゴを使用していました。これらを束ね、強力な連帯感を生み出す統一コミュニケーション・シンボルが強く求められていたのです。

そこで掲げられたコンセプトこそが、「視覚とコミュニケーションの原点」でした。テレビは映像を見るメディアであり、新聞は活字を読むメディアです。ラジオや音楽ソフトも含め、情報と文化を享受する主たる器官は人間の「感覚器」に他なりません。マークに込められた公式の意図は次の3点に集約されます。

第一に、「電波と情報を通じて時代を見つめる確かな目」。報道機関として真実を見極め、世の中の動向を鋭く見据えるジャーナリズムの精神です。
第二に、「未来を見通す鋭い洞察力と先見性」。エンターテインメントの旗手として、常に時代の半歩先を行くコンテンツを創造する開拓者精神を指します。
第三に、「温かい人間味とコミュニケーションのまなざし」。冷徹なカメラのレンズではなく、あえて有機的な「人間の目」を描くことで、視聴者や読者と感情を共有する情の通い合いを表現しました。

鹿内春雄氏は社内報や当時のインタビューにおいて、「機械的なマークではなく、生きている人間の躍動感や温もりをダイレクトに伝えるシンボルでなければならない」と語っています。無機質な幾何学形態を排し、あえて大胆に肉筆のニュアンスを残した眼球を選び取った背景には、昭和後期のメディア業界を席巻したフジテレビの「人間主義・面白主義」が直結していたのです。

小林 直樹

小林 直樹

トレンドリサーチャー

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。

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