指の皮がむけるのは病気のサイン?痛くない・かゆい症状別の真相と治し方
指の皮がむけるのは病気のサイン?痛くない・かゆい症状別の真相と治し方について分かりやすく解説いたします。専門家の見解をお届けします。
指の皮がむけたとき、良かれと思って行っている日常的な処置の中に、症状を長期化させる罠が隠されています。
最大の落とし穴は、「皮がめくれているなら尿素入りクリームを塗ればいい」という短絡的な思い込みです。尿素には硬くなった角質を溶かして柔らかくする優れた作用(角質融解作用)があります。踵や肘のガサガサには効果を発揮しますが、薄皮がむけて赤みが出ている指先や亀裂がある患部に塗布すると、強力な刺激となって激痛を走らせ、接触皮膚炎を誘発して炎症を悪化させます。赤みや傷がある部位には、尿素ではなく刺激の極めて少ない白色ワセリンやヘパリン類似物質を選択するのが皮膚科学の鉄則です。
次に危険なのが、「浮き上がった薄皮を指や毛抜きで引っ張ってむく」行為です。途中でちぎれた皮が気になり、根元まで引きちぎってしまうと、まだ未熟な真皮に近い角質層まで一緒に引き剥がしてしまいます。そこから黄色ブドウ球菌などの細菌が侵入すれば、蜂窩織炎(ほうかしきえん)やひょう疽(爪周囲炎)といった化膿性疾患へ発展し、指全体が赤く腫れ上がって拍動痛に苦しむ事態になりかねません。めくれた角質は決して引き抜かず、眉用バサミなどの清潔なハサミで浮いた部分だけを根元からそっと切り落とすのが鉄則です。
さらに、ネット上で散見される「アルコール消毒液を吹きかけて指先を殺菌すれば皮むけが止まる」という言説も完全に誤りです。皮膚常在菌のバランスを破壊し、蒸発時に角層内部の水分を奪い去るため、手荒れを劇的に悪化させる原因にしかなりません。