ベトナムのポルノ規制と違法性の実態|厳罰化とネット検閲の深層

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ベトナム国内のWi-Fiや現地のSIMカード経由でスマートフォンを操作すると、すぐに不可解な現象に遭遇する。世界的に知名度の高い大手成人向けプラットフォームやアダルト動画サイトを開こうとしても、ページが読み込まれず「接続がタイムアウトしました」あるいは無機質な接続エラー画面が表示される。

これは通信障害ではなく、国家主導による計画的なアクセス遮断(ブロッキング)だ。ベトナムの通信インフラを握る国営軍隊通信グループ「Viettel」、情報通信省傘下の「VNPT」、そして民間大手の「FPT Telecom」の3社に対し、情報通信省から指定サイトの遮断命令が常時発令されている。

現地通信関係者の取材データによると、ドメインネームシステム(DNS)への偽装応答を返す手法を中心に、特定IPアドレスへの接続を直接遮断するブラックリスト方式が採用されている。2019年末から始まった大規模遮断オペレーションを皮切りに、数千に及ぶドメインがリスト入りした。

しかし、ネットの世界では「いたちごっこ」が続く。検閲を逃れるためにTelegramや現地メッセンジャーアプリ「Zalo」の非公開グループへ活動が地下化し、仮想プライベートネットワーク(VPN)を介したアクセスが急増した。これに対し当局は、2022年に公布された政令53/2022/ND-CP号(サイバーセキュリティ法詳細規定)を行使し、国外テック企業に対するデータ現地保存義務と、違法コンテンツ発覚時の24時間以内遮断措置を突きつけることで締め付けを強めている。

中川 明日香

中川 明日香

ビジネス戦略アナリスト

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

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