言葉が出ないのは病気のサイン?脳梗塞の前兆と度忘れの決定的違い

言葉が出ないのは病気のサイン?脳梗塞の前兆と度忘れの決定的違いの基礎知識と応用に迫る! 専門的な視点で紐解きます。

言葉が出ないという悩みは、高齢者だけの専売特許ではありません。現役世代である30代から50代のビジネスパーソンや子育て世代の間でも、「会議中に急に言葉が出なくなり、冷や汗が止まらなくなった」「クライアントの名前が完全に抜け落ちてパニックになった」といった悲痛な声がSNSや健康相談窓口に数多く寄せられています。

厚生労働省の調査データによると、65歳未満で発症する若年性認知症の国内患者数は推計約3.57万人にのぼります。好発年齢は50代前半であり、初期症状として最も頻繁に現れるのが「物の名前が出てこない(語想起障害)」や「段取りの悪化」です。働き盛りの年代であるがゆえに、「仕事の疲れ」「更年期障害」「うつ病」と誤認され、診断確定までに平均して1年半から2年近い歳月を要している実態が浮き彫りになっています。

実際に若年性アルツハイマー型認知症と診断された元会社員の当事者手記には、次のような生々しい記録が残されています。

「昨日の夜、同僚と打ち合わせした案件の固有名詞が何一つ出てこない。喉元まで出かかっているのではなく、引き出しそのものが頭の中からごっそり抜き取られたような完全な空白。周囲からは『最近、指示が曖昧で“あれ”や“それ”ばかりですね』と笑われたが、自分の中では得体の知れない恐怖で手足が震えていた」

一方、神経変性疾患ではないにもかかわらず、全く同様の症状を訴える現役世代が爆発的に増えています。その主因が「デジタル過多による脳過労(ブレインフォグ)」と言葉が出ないストレスの連鎖です。脳の前頭前野は、思考、感情のコントロール、決断、そして言語の表出を一手に引き受けています。しかし、スマートフォンからの膨大な情報流入やマルチタスクの常態化によって前頭前野の血流が極端に低下すると、脳のキャパシティが飽和状態に陥り、情報のアウトプット機能が一時的にシャットダウンしてしまうのです。

現場の産業医からは、「真面目で責任感の強い社員ほど、業務過多のサインを無視し続け、最終的にクライアントの前で一言も喋れなくなる心因性フリーズに陥るケースが目立つ」という指摘がなされています。肉体的な限界を超えたプレッシャーが、言語中枢を司る神経ネットワークの連絡網を麻痺させているのです。

渡辺 美咲

渡辺 美咲

ガジェット&アプライアンスライター

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。

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