健康診断の下着は何が正解?ブラトップNgの真相と失敗防ぐ完全対策

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「ワイヤーの入っていないカップ付きキャミソールやブラトップなら、金属探知にも引っかからないため問題ないはず」と考える受診者は非常に多く見受けられます。しかし、健診センターの多くが「ブラトップ類は原則着用不可」と明記している背景には、受診者の想像を超える2つの技術的落とし穴が存在します。

第一の落とし穴は、胸部レントゲン(胸部X線検査)における素材の透過度とアーチファクト(偽陰影)の発生です。レントゲン撮影は放射線が人体を通過する密度の差をモノクロの濃淡画像として記録します。ブラトップの内蔵パッドに使われているウレタン樹脂や高密度スポンジ、胸部を支えるための肉厚なアンダーゴム、肩紐の長さを調整するプラスチック製アジャスターは、X線を微小に減弱させます。

その結果、肺野(肺の空気を含む黒い部分)に薄い円状の影や線状の影が重なって写り込み、肺結核の初期病変や微小な肺結節(腫瘍の疑い)と区別がつかなくなる事態を招きます。読影を担当する放射線科医が「下着による影か、実際の病変か」を判別できなければ、不要な要精密検査(CT検査)の判定が出され、受診者に無用な精神的負担や追加医療費を強いることになります。

第二の落とし穴は、健康診断の心電図検査における電極装着の位置関係です。標準12誘導心電図では、両手足のほか、胸部の特定部位6カ所(V1〜V6)に吸盤やシール型電極を直接密着させる必要があります。電極を貼り付ける位置には「第4肋間胸骨右縁」から「左第5肋間前腋窩線」、すなわち左乳房の真下から脇の下にかけての繊細なラインが含まれます。

ブラトップやホールド力の強いインナーを着用していると、アンダーバストの締め付けが邪魔をして電極を正しい解剖学的ランドマークへ装着できません。服を首元まで大きくたくし上げようとしても、タイトな生地が肋骨下部を覆い隠してしまい、記録波形にノイズ(筋電図混入)が発生したり、誘導不良による再測定を引き起こします。そのため、心電図の検査室に入った段階で「下着を完全に外してください」と指示されるケースが必然的に多くなるわけです。

渡辺 美咲

渡辺 美咲

ガジェット&アプライアンスライター

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。

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