看護師必修!静脈血ガスの取り方と数値激変を防ぐ採血手技の全貌
看護師必修!静脈血ガスの取り方と数値激変を防ぐ採血手技の全貌にまつわる興味深い視点を詳しく紐解きます。
臨床現場において、末梢静脈血ガス分析が選ばれる最大の理由は侵襲性の低さと迅速性にあります。動脈血採血は高度な手技が求められ、血腫形成や動脈攣縮のリスクが伴いますが、静脈血採血であれば看護師の通常業務の範囲内で安全に検体を確保できます。ただし、動脈血と静脈血では、組織による酸素消費や二酸化炭素・代謝産物の放出を経ているため、得られるパラメータの意味合いが本質的に異なります。
血液ガス分析器の測定原理は、検体中の水素イオン濃度を測定するpH電極、膜を透過したガス分圧を測るSeveringhaus型pCO2電極やClark型pO2電極など、超精密な電気化学センサーによって構成されています。そのため、動脈血と静脈血の生理的差異をあらかじめ数値として把握していなければ、機械から出力された数値を臨床判断に生かすことはできません。下記は、動脈血と末梢静脈血における主要項目の実測値比較と臨床的許容基準です。
表から明らかなように、pHと重炭酸イオン(HCO3-)は動脈血とほぼ同一視できるほどの高い相関を誇ります。このため、糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)の治療経過観察や、嘔吐・下痢による酸塩基平衡の異常把握には、末梢静脈血ガス分析で十分に対応できます。しかし、PO2に関しては相関が完全に破綻しているため、呼吸不全の急性増悪や換気不全の評価に静脈血のPO2を用いることは禁忌です。