神奈川の水がめ宮ヶ瀬ダムは枯渇寸前?貯水率の真相と取水制限のリスク
神奈川の水がめ宮ヶ瀬ダムは枯渇寸前?貯水率の真相と取水制限のリスクについて見逃せない 事実を分かりやすい構成で解説いたします。
宮ヶ瀬湖の周辺を巡って、SNSや知恵袋などで後を絶たない典型的なクレームや疑問があります。「少雨でダムの水が減っているとニュースで報じられているのに、なぜ宮ヶ瀬ダムは観光放流で毎秒30立方メートルもの大量の水を景気良く捨てているのか」「行政の無駄遣いではないか」という声です。
現地を訪れると、毎秒最大30m³の豪快な水煙が轟音とともに谷底へ吹き荒れ、観光客の歓声が上がります。一見すると貴重な飲料水を浪費しているように映るこの光景ですが、現場の管理技術者や公式発表に耳を傾ければ、その疑惑は完全に晴れます。
宮ヶ瀬ダムの観光放流で使用された水は、そのまま太平洋へ垂れ流されているわけではありません。巨大な堤体の直下には「石小屋ダム(宮ヶ瀬副ダム)」と呼ばれる調整用ダムが控えており、放流された水はすべてこの副ダムにプールされます。そして下流の急激な増水を防ぎながら、川の生態系を守るための河川維持用水として少しずつ放流されたり、導水管を経由して水道用水や水力発電へと回されたりします。
つまり観光放流は、どのみち下流や水道へ流す必要のある水を、決められたスケジュール(定期放流日)に合わせてタイミングよく放流しているだけの完全なリサイクル運用です。水資源を1滴たりとも無駄にしていないスマートな設計であり、「観光放流のせいで水不足になる」という言説は物理的な構造を見落とした完全な誤解です。