インクラインハンマーカールで腕が太くならない理由と効く角度・重量
インクラインハンマーカールで腕が太くならない理由と効く角度・重量に関する主要なデータを分かりやすく解説いたします。
トレーニング愛好家の間で長年信じ込まれてきた言説の中には、解剖学的な見地から是正すべき誤解が幾重にも存在します。
最も根深い誤解は、「腕を太くするには、とにかく重いダンベルを振り回すべきだ」という重量至上主義です。インクラインハンマーカールは力点と作用点の関係上、モーメントアームが長くなる種目です。関節にかかるトルクが大きいため、実力以上の重量を扱うと、筋肉ではなく肘の外側(外側上顆)や手首の靭帯に過剰なストレスが集中してしまいます。現場の整形外科医や理学療法士の報告でも、見栄からくるオーバーウエイトで腱鞘炎や肘関節障害を発症するケースが後を絶ちません。
もうひとつの誤解は、「上腕二頭筋の力こぶの高さを出したいならハンマーカールをやり込むべき」という言説です。力こぶのピーク(高さ)を司るのは主に回外位で強く収縮する上腕二頭筋短頭であり、ハンマーグリップではこの作用が大きく抑制されます。ハンマーカールが腕を太く見せるメカニズムは、上腕二頭筋の深層にある上腕筋を発達させて二頭筋全体を内側から「押し上げる」効果と、腕橈骨筋を発達させて「腕全体の横幅と厚み」を拡張する点にあります。この解剖学的役割を取り違えると、目指すシルエットと実際の筋発達にズレが生じてしまいます。