肝機能障害の薬で数値は下がる?処方薬と市販薬の違いと副作用の真相
肝機能障害の薬で数値は下がる?処方薬と市販薬の違いと副作用の真相の背景について、最新情報を詳しくお届けします。
「肝機能の数値を今すぐ手軽に下げたい」と考える人がドラッグストアに駆け込んでも、期待通りの劇的な改善を得ることはまず不可能です。一般用医薬品(市販薬)として販売されている「肝臓水解物製剤」や「ビタミン含有保健薬」の添付文書を精読すると、その効能・効果の欄には「滋養強壮」「胃腸障害時の栄養補給」「肉体疲労」といった文言が並んでいます。つまり、市販薬は弱った胃腸やアミノ酸代謝を補助するサポート役に過ぎず、肝細胞が炎症を起こして破壊されている病態(肝機能障害)そのものを治療する薬剤ではありません。
一方、医療機関で医師が病名診断に基づいて処方する医療用医薬品は、肝臓で起きている「炎症の鎮静化」や「胆汁うっ滞の解除」を目的として開発された本格的な治療薬です。血液検査で測定されるASTやALTは、破壊された肝細胞から血液中に漏れ出した酵素の量を示しています。処方薬は、この肝細胞の破壊プロセスそのものを食い止めることで、血中に漏れ出す酵素の流出を抑え、結果として検査数値を下げていきます。
一部の市販薬(第3類医薬品)には、処方薬と同じ「ウルソデオキシコール酸」を配合した胃腸薬も流通していますが、1日あたりの配合量は50mg〜100mg程度にとどまるものが大半です。医療用として慢性肝疾患に保険適用される標準的な用量は1日600mg(状態に応じて増量)に達するため、成分名は同じであっても体内での薬理作用の強さには雲泥の差があります。自己判断で市販薬を買い込み、「薬を飲んでいるから大丈夫」と過信して放置することが、病状の慢性化を招く最大の落とし穴となっています。