チェルノブイリ「象の足」の現在とは?致死量の塊を撮影できた衝撃の真相

チェルノブイリ「象の足」の現在とは?致死量の塊を撮影できた衝撃の真相とはどのようなものなのか? 背景や要点を丁寧に紐解いて紹介します。

「象の足」が発見された直後、測定器が示した放射線量は常軌を逸していました。塊の表面付近における線量は毎時約8,000〜10,000レントゲン(約80〜100シーベルト/h)と記録されています。一般的な胸部X線検査で浴びる被曝量が約0.05ミリシーベルトであることを考えると、まさに桁違いの放射能の塊でした。

この環境下に生身の人間が無防備で立ち入った場合、人体には以下のような壊滅的影響が生じます。

滞在・被曝時間推定被曝量(発見当初)人体への影響・急性症状医学的評価・致死リスク約30秒約0.7〜0.8 Sv(シーベルト)白血球の急激な減少、倦怠感、軽度の吐き気即死はしないが造血幹細胞に損傷約2分間約2.5〜3.3 Sv激しい嘔吐、めまい、全身の毛細血管からの出血、脱毛半致死量(LD50/60)。適切な治療がなければ約半数が死亡約4〜5分間約6.0〜8.0 Sv胃腸死(下痢・脱水)、高熱、骨髄機能の完全停止100%致死量。数日から2週間以内に死に至る約15分以上20 Sv以上中枢神経障害、意識混濁、即座の痙攣とショック症状数時間から数日以内に確実に死亡

放射線を大量に浴びると、放射線が細胞内の水分を電離させて活性酸素を爆発的に発生させ、DNAの二重螺旋構造をズタズタに切断します。これにより細胞分裂が不可能となり、新陳代謝の激しい消化管粘膜や造血組織が破壊され、全身の内臓が崩壊していくことになります。「象の足」は、まさに不可視の死の光線を放つ怪物でした。

高橋 健太

高橋 健太

ライフスタイル編集者

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest