キングオブコメディ今野の現在|相方の逮捕解散から怪演俳優への覚醒

キングオブコメディ今野の現在|相方の逮捕解散から怪演俳優への覚醒にまつわる役立つ知識を詳しく紐解きます。

役者・今野浩喜の評価を決定づけた最大の分水嶺は、コンビ解散の直前、2015年10月期に放送されたTBS日曜劇場『下町ロケット』でした。彼が演じた佃製作所の若手技術開発部員・迫田滋は、当初は斜に構えて組織に不満を漏らしながらも、次第にものづくりの情熱に目覚めていく複雑な内面を持つ男でした。その人間臭く生々しい演技は、阿部寛をはじめとする重厚なキャスト陣の中でも強烈なフックとなり、「あの上手い役者は誰だ」と視聴者や業界関係者の間で瞬く間に話題となりました。

今野の演技力の真骨頂は、日常と異常の境界線をシームレスに行き来するグラデーションにあります。かつてキングオブコメディが生み出したコントの名作(「自動車教習所」や「誘拐犯」など)において、今野は一見すると無害そうでありながら、底知れぬ狂気や気まずさを醸し出す人物を完璧に演じ分けていました。そのコントの身体性が、そのまま映像芝居の現場で「リアリズムの極致」として機能しています。

その後もNHK大河ドラマ『真田丸』や『鎌倉殿の13人』、連続テレビ小説『まんぷく』、サスペンスドラマ『テセウスの船』など、錚々たる名作に出演。三谷幸喜や福田雄一といった一流の劇作家・演出家たちも、彼の「余計な作為を感じさせない脱力したリアルさ」を絶賛しています。悪役を演じればゾッとするような薄気味悪さを残し、善人を演じればどこか応援したくなる哀愁を帯びる――この振れ幅の広さこそが、監督たちを引きつけてやまない理由です。

清水 千尋

清水 千尋

フード&トラベルライター

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。

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