日系人とは何者か?日本人との違いや世代の定義・過酷な歴史の真相
日系人とは何者か?日本人との違いや世代の定義・過酷な歴史の真相に関する基本知識をわかりやすくまとめました。要点を確実におさえることができます。
過酷な歴史を経て現地社会に溶け込んだ日系人たちですが、1980年代後半、歴史の針は逆回転を始めました。バブル経済下の日本が深刻な人手不足に陥る一方、中南米諸国は未曾有のハイパーインフレと経済危機に見舞われました。こうして始まったのが、日系人による日本への「デカセギ(出稼ぎ)」現象です。
愛知県豊田市の保見団地や静岡県浜松市、群馬県大泉町などは、ブラジル・ペルー系住民が集住する代表的な自治体として知られています。当初は「数年稼いだら母国へ帰国する」予定だった多くの人々が、生活拠点を日本に移し、定住化・永住化していきました。出入国在留管理庁の統計によれば、日本国内に在留するブラジル人は約21万人規模に達し、その大半が日系人とその家族で占められています。
しかし、現場を直視すると、美談だけでは片付けられない厳しい構造的摩擦が浮き彫りになります。
SNSや地域コミュニティの調査では、現場の日系人から切実な声が寄せられています。
「ブラジルでは肌や目の色から『ジャポネス(日本人)』と呼ばれて育ち、自分のルーツは日本にあると信じていた。だが、いざ日本に来ると日本語が不自由なために『外国人・ガイジン』として扱われる。自分はいったい何者なのかという引き裂かれるような感覚を抱え続けている」
さらに現在、集住地域では「日系社会の二重の断絶」が深刻化しています。第1に、1990年代に若くして来日した日系2世・3世の高齢化に伴う医療・介護問題です。日本語での意思疎通が不十分なまま高齢期を迎え、年金加入期間の不足から貧困に陥るリスクが顕在化しています。
第2に、日本で生まれ育った子どもたち(日系3世・4世)の教育問題です。日本語も母国語も抽象的な思考レベルまで習得しきれない「ダブル・リミテッド(セミリンガル)」状態に陥る児童や、不就学問題が長らく指摘されてきました。近年では公立学校での日本語指導体制が強化されつつあるものの、高校進学率や正規雇用率において一般の日本人生徒との間に依然として格差が存在しています。