鈴木智彦とは何者か?裏社会ルポから原発潜入・ピアノまで徹底解剖
鈴木智彦とは何者か?裏社会ルポから原発潜入・ピアノまで徹底解剖とは一体何なのか? 専門的な分析を丁寧に紐解いて紹介します。
鈴木智彦の真骨頂は、一見かけ離れた事象の結節点を暴き出す緻密な調査報道にあります。その代表作が、約5年に及ぶ徹底的な追跡調査をまとめた『サカナとヤクザ 暴力団の巨大資金源「密漁ビジネス」を追う』です。高級食材であるアワビやナマコ、さらにはウナギの稚魚(シラスウナギ)の密漁ルートを辿り、三陸の海から築地市場、さらには香港や台湾の密輸コネクションまでを自ら追跡。暴力団の現代的な資金源と、私たちが日常的に口にする食卓の魚が地続きであることを白日の下に晒しました。
一方で、2020年に刊行され話題を呼んだ『ヤクザときどきピアノ』では、これまでのイメージを一変させる新境地を開拓しました。52歳にして全くの未経験からクラシックピアノに挑戦し、難曲として知られるリストの『愛の夢 第3番』を弾けるようになるまでの悪戦苦闘を描いた手記です。裏社会取材で培われた極限の集中力と自己客観視の視線が「中年男性の習い事」という個人的体験に向けられたことで、人生の哀愁と再生を描いた傑作エッセイとして熱狂的な支持を集めました。