存じ上げる」は尊敬語じゃない?誤用急増の真相と正しい敬語の使い方
存じ上げる」は尊敬語じゃない?誤用急増の真相と正しい敬語の使い方に関する知りたいポイントを初心者にも親しみやすくまとめました。要点を確実におさえることができます。
結論から明確に述べると、「存じ上げる」を尊敬語として使うことはできません。文化庁が策定している「敬語の指針」において、「存じ上げる」は相手の行為を高める「尊敬語」ではなく、自分側の行為を低めて相手を立てる「謙譲語Ⅰ」に明確に分類されています。
それにもかかわらず、「〇〇社長は存じ上げておりますか?」「山田様は新システムのリリースを存じ上げていましたか?」といった誤用がビジネス現場で頻発しています。この誤用が起きる最大の原因は、言葉の語尾にある「上げる」という響きです。無意識のうちに「相手を持ち上げる=尊敬語」という認知バイアスが働き、相手の動作に対して使ってしまう心理的トラップが存在します。
敬語の基本構造において最も重要なのは「誰の動作であるか(主語の所在)」です。自分側の動作であれば「謙譲語」、相手側の動作であれば「尊敬語」を用いなければなりません。「知る」という行為の主語が相手にある場合、選ぶべき敬語は「ご存知」一択です。ここを混同すると、「自分を立てて相手を見下す」という意図しない無礼な構図が成立してしまいます。