左座右起の意味と由来とは?和室や武道で差がつく美しい立ち座り作法
左座右起の意味と由来とは?和室や武道で差がつく美しい立ち座り作法に関する知りたいポイントを初心者にも親しみやすくまとめました。要点を確実におさえることができます。
なぜ「右座左起」ではなく「左座右起」が定着したのか、その左座右起の由来には大きく分けて「武備(実戦への備え)」と「礼法思想」の2つの側面が存在します。
最大の要因は、かつての武士階級における刀の扱いです。武士は常に左腰に刀を帯びていました。もし右膝から先に地面に着いてしまうと、左腰の刀の鞘が床に当たって邪魔になるだけでなく、不意の襲撃を受けた際に抜刀姿勢を取りづらくなります。一方で、左膝から着けば、右足が自由に動くため即座に刀を抜いて応戦できます。同様に、立ち上がる際も右足から踏み出すことで、常に利き手を活かした戦闘態勢を保つことができました。
もう一つの背景が、室町時代以降に体系化された小笠原流礼法や陰陽五行思想の影響です。古代中国から伝わる思想において、太陽が昇る東(左)は陽、西(右)は陰とされ、「左上右下(左側を尊び、右側を次とする)」という序列観が重んじられました。神聖な儀礼において左を重んじる文化と、武士の身体合理性が結びついた結果、日本の伝統作法の標準として定着していったのです。