中学校の特別支援学級に入ると高校に行けない?内申点と進路の真実

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結論から申し上げると、「中学校の特別支援学級に在籍すると高校へ進学できない」という説は制度上、明白な誤りです。学校教育法第57条において、高等学校の入学資格は「中学校もしくはこれに準ずる学校を卒業した者」と規定されており、通常学級であっても特別支援学級であっても、中学校を卒業すれば法的な公立高校受検資格は等しく与えられます。卒業証書にも特別支援学級に在籍していた事実が特記されることは原則としてありません。

それにもかかわらず、なぜこのような否定的な噂が教育現場や保護者コミュニティで囁かれ続けるのでしょうか。取材を進めると、その背景には高校入試における内申点(調査書)の取り扱いをめぐる極めてシビアな実態が存在することが判明しました。

高校入試、とりわけ公立高校の一般選抜では「当日の学力検査点」と「中学校の内申点」を合算して合否を判定します。このとき、特別支援学級に在籍している生徒に対してどのような内申点が付けられるかが自治体によって大きく異なるのです。学級には主に2つの種別が存在します。

1つ目は自閉症・情緒障害特別支援学級です。ここでは原則として通常学級と同じ学習指導要領(教科書)に準拠した授業が行われるため、定期テストを受ければ通常学級と同様に1から5の相対的・絶対的評定がつきます。この場合、一般の公立高校受検において内申点上の制度的ディスアドバンテージを負うことはほぼありません。

一方で注意を要するのが、2つ目の知的障害特別支援学級です。知的障害特別支援学級では、生徒一人ひとりの認知的発達に合わせて教育課程を組み替える「特別の教育課程」が編成されます。この場合、通常の教科目標とは異なる基準で学んでいるため、調査書の各教科の評定欄に5段階の数字がつかず、斜線(評価なし)や文章記述による評価になるケースが多発します。

公立高校の一般入試において、評定欄が斜線の場合にどのような計算式を適用するかは各都道府県の教育委員会に委ねられています。「当日の学力検査の点数を傾斜配分して内申点分を補う」「自己申告書や面接を重視する『配慮申請枠』を設ける」といった救済措置を講じる自治体がある一方で、システム上、調査書点の比重が高い高校では受検戦略の再考を余儀なくされるのが現実です。噂の出所は、まさにこの「内申点の運用ルール」が一人歩きした結果だと断言できます。

林 結菜

林 結菜

ライフスタイル編集者

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

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