血を吐いた時の見分け方|喀血と吐血の決定的な違いと受診基準
血を吐いた時の見分け方|喀血と吐血の決定的な違いと受診基準の見逃せないポイントをわかりやすく整理しました。
出血のメカニズムを理解することは、背後に潜む深刻な疾患の早期発見につながります。喀血と吐血では、想定される基礎疾患の病態がまったく異なります。
喀血原因疾患:肺胞や気管支動脈の破綻
喀血を引き起こす病態は、慢性的な気道炎症による新生血管の増生や、腫瘍・肉芽による血管壁の破壊です。代表的な疾患には以下が挙げられます。
- 気管支拡張症:気管支が非可逆的に拡張し、周囲に異常発達した気管支動脈が破綻して反復性の喀血を引き起こす。
- 肺結核・非結核性抗酸菌症(NTM):結核菌や抗酸菌が肺組織を破壊し、空洞内に形成された動脈瘤(ラスムッセン動脈瘤など)が破綻して大喀血に至る。
- 肺がん(扁平上皮がん・腺がんなど):腫瘍組織の壊死や太い肺血管への浸潤により出血をきたす。
- アスペルギローマ(肺真菌症):既存の肺空洞内に形成された菌球周囲の血管が脆弱化し、予兆なく大喀血を起こすリスクが高い。
吐血原因疾患:消化管粘膜の潰瘍形成と静脈瘤破裂
吐血は、粘膜のびらん・潰瘍、あるいは門脈圧亢進に伴う静脈の瘤(こぶ)の破裂によって生じます。
- 胃潰瘍・十二指腸潰瘍:ピロリ菌感染や非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の長期服用により粘膜深層の血管が露出し破綻する。
- 食道・胃静脈瘤破裂:肝硬変などにより門脈圧が上昇し、食道粘膜下の静脈が怒張して破裂。短時間で1,000ml以上の大出血をきたす致死率の高い緊急病態。
- マロリー・ワイス症候群:激しい嘔吐時の腹圧上昇により、食道と胃の接合部付近の粘膜が縦方向に裂けて出血する。アルコール多量摂取後に多発。
- 胃がん:進行胃がんの潰瘍面からのじわじわとした持続出血や露出血管の破綻。