鹿児島空港から鹿児島駅へ電車がない真相と最速アクセス徹底比較
鹿児島空港から鹿児島駅へ電車がない真相と最速アクセス徹底比較の見逃せないポイントを一挙に解説しました。
全国の主要空港を見渡すと、羽田や成田、関西、福岡をはじめ、多くの拠点がJRや私鉄、地下鉄、モノレールなどの軌道系交通機関と直結しています。そうした利便性に慣れた来訪者ほど、鹿児島空港に電車がない理由に強い疑問を抱くはずです。
時計の針を1972(昭和47)年まで巻き戻すと、その理由が見えてきます。かつて鹿児島空港は鹿児島市街地南部の鴨池地区(現在の鹿児島県庁周辺)に位置していました。しかし、滑走路が短くジェット機の就航に対応できなかったため、霧島市溝辺町(旧・姶良郡溝辺町)の内陸高台へと全面移転した歴史があります。
移転先の敷地は、標高約270メートルの険しいシラス台地の上に切り開かれました。JR日豊本線や肥薩線が周辺の谷間を縫うように走っているものの、最寄りのJR肥薩線・中福良駅や嘉例川駅からは急峻な高低差があり、線路を台地上へ延伸・分岐させるには長大なトンネルや急勾配の克服といった難工事が不可欠でした。
鉄道新線計画や既存路線からの分岐線構想は過去に鹿児島県や経済界で幾度となく議論されてきました。しかし、移転直後の1970年代から九州自動車道が順次整備され、高速道路経由の直行バスが約40分で市街地を結ぶネットワークを確立したことで、数百億円規模の巨費を投じて鉄道を敷設する費用対効果(ROI)が見出せなくなったのが実態です。強固な道路網の完成が、皮肉にも鉄路の進出を阻む決定打となったと言えます。