お焼香の回数は何回が正解?宗派別の作法と押しいただく意味を徹底解説

お焼香の回数は何回が正解?宗派別の作法と押しいただく意味を徹底解説について重要なポイントを解説いたします。専門家の見解をチェックしてください。

お焼香の所作のなかで、多くの参列者が疑問に感じるのが「押しいただく・いただかない」の決定的な違いです。「押しいただく」とは、右手の親指・人差し指・中指の3本で抹香をつまみ、手のひらを内側に向けながら額の高さまで持ち上げる所作を指します。これは、対象に対する最上級の敬意を表し、自分自身の穢れを清めるための祈りを象徴しています。

しかし、日本で門徒数が最も多いとされる浄土真宗(本願寺派・真宗大谷派)では、抹香を一切押しいただきません。香をつまんだら、そのまま静かに香炉へと落とします。この違いを知らない参列者は、「敬意が足りないのではないか」「省略された作法なのではないか」と誤認してしまいがちですが、これこそが親鸞聖人の説いた教義の核心部分です。

浄土真宗の根本思想は「悪人正機説」と「絶対他力」です。凡夫である人間が自らの善行や修行(自力)によって功徳を積み、往生を願うという考え方をとりません。「阿弥陀如来の広大な慈悲によって、すべての人は既に極楽浄土へ導かれることが定まっている」と捉えるため、故人の成仏を願って追善供養を行う必要がないと説きます。

したがって、浄土真宗におけるお焼香は「故人の冥福を祈る行為」や「功徳を積む儀礼」ではなく、「すでに救済してくださっている阿弥陀仏に対する純粋な感謝と敬意の表明」となります。抹香を頭上へ掲げて念じる動作は「自力で祈念する行為」とみなされるため、作法として明確に否定されているのです。このように所作の差異の理由を把握すると、それぞれの流派が持つ思想の深さに気付かされます。

中村 さくら

中村 さくら

マネー&キャリアエディター

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

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