金木犀の剪定時期を誤ると咲かない?プロ直伝の失敗回避術と正しい手入れ
金木犀の剪定時期を誤ると咲かない?プロ直伝の失敗回避術と正しい手入れとはどんな影響があるのか? 主要なファクトを丁寧に紐解いて紹介します。
「春から夏にかけて枝が伸びて見苦しかったので、8月にさっぱりと刈り込んだ」——もしこのような手入れを行っているなら、秋に花が咲かないのは当然の結果といえます。金木犀が花を咲かせない最大の理由は、花芽の形成サイクルと剪定時期のミスマッチにあります。
金木犀は、春(4月〜5月頃)に勢いよく伸びた新梢(その年に新しく伸びた枝)の葉の付け根に花をつけます。ここで極めて重要なのが、金木犀花芽のつく時期が「7月〜8月」である点です。真夏の強い日差しと気温の上昇に伴い、植物体内では新梢の成長が一旦落ち着き、細胞分裂によって葉芽から花芽へと分化(花芽分化)が進みます。
肉眼ではまだ小さな突起にしか見えないこの時期にバリカンや刈り込みバサミを入れてしまうと、木は青々とした美しい球形に整う反面、秋に開花するはずだった組織を丸ごと切除してしまいます。これが、多くの園芸愛好家や家主が陥る典型的な金木犀花が咲かない理由です。
一度切り落とされた花芽は、その年の秋に再生することはありません。木は切られた刺激に対抗して葉を出すための栄養成長を再開させ、結果として「青葉ばかりが生い茂り、香りは一切しない」という無残な状態を迎えます。満開の芳香を手に入れるための鉄則は、「夏以降は絶対にハサミを入れない」という一点に尽きます。