井上陽水『氷の世界』はなぜ日本初ミリオンに?名曲の真実を徹底解剖
井上陽水『氷の世界』はなぜ日本初ミリオンに?名曲の真実を徹底解剖とはどんな影響があるのか? 主要なファクトを整理してお届けします。
ネット上の情報やSNSの言説では、長年語り継がれるうちに生じた事実誤認がいくつか存在します。後世のリスナーが誤解しやすいポイントを整理しておきましょう。
誤解1:「氷の世界」は先行シングルとして大ヒットした?
これは最も多い勘違いです。1973年当時に先行シングルとして発売され大ヒットしたのは前述の通り「心もよう」であり、表題曲「氷の世界」はあくまでアルバムのリードトラック(アルバム曲)という位置付けでした。当時のシングル盤(7インチEP)としては発売されておらず、初めてシングルカットされたのは9年後の1982年(ポリドール・7DX-1196)や、後年のリマスター再発時です。シングルヒットに依存せず、アルバムそのものの破壊力でミリオンを突破した点にこそ歴史的価値があります。
誤解2:全曲がロンドンでレコーディングされた?
「氷の世界=ロンドン録音」という看板が一人歩きしがちですが、実際には全13曲すべてがロンドンで録音されたわけではありません。東京のスタジオで録音されたトラックと、ロンドンでリズムセクションやストリングスをオーバーダブ・新規録音したトラックが巧みに混在しています。東京の湿り気のある空気感と、ロンドンの乾いたタイトな空気感が融合したことこそが、本作特有の浮遊感を生み出す要因となりました。