腹筋で腰が痛い原因を解明!腸腰筋の代償動作と腰痛を防ぐ正しい鍛え方
腹筋で腰が痛い原因を解明!腸腰筋の代償動作と腰痛を防ぐ正しい鍛え方の特集記事を解説します。専門的な知識が詰まっています。
ネット上のフィットネス動画やSNSインフルエンサーの投稿では、「毎日100回やってお腹を割る」といった根性論がいまだに散見されます。しかし、バイオメカニクスの観点から言えば、フォームが崩れた状態での高レップス運動ほど百害あって一利ないものはありません。
腹直筋は肋骨下部から恥骨にかけて付着しているため、その本質的な作用は「みぞおちと恥骨を近づける(背骨を丸める)」ことです。上半身を床から完全に起こす動作の後半部分は、腹筋ではなくほぼ股関節屈筋群(腸腰筋や大腿直筋)の仕事になります。つまり、床から30度程度浮かせた時点で腹直筋の最大収縮は完了しており、それ以上起き上がる運動は腰椎に摩擦と圧縮ストレスを積み重ねているだけに過ぎません。
「腰が痛いのは筋肉痛だから耐えるべき」という言説も極めて危険な誤解です。筋肉の起始・停止部ではなく、背骨の真ん中や仙骨周辺に生じる詰まり感や鋭利な痛みは、筋肉痛ではなく椎間関節の衝突や靭帯の伸張ストレスです。痛覚の警告サインを無視して回数を重ねる行為は、健康美を求める努力とは正反対の自傷行為になりかねません。