「てっさ」とは何の料理?語源の鉄砲やてっちりとの違い・旬を徹底解明
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「てっさ」という一風変わった呼び名は、「鉄砲(てっぽう)の刺身」を略した言葉に由来します。では、なぜ魚であるふぐが鉄砲と呼ばれたのでしょうか。その理由は、大阪商人らしい切れ味鋭いブラックジョークにありました。
ふぐの体内、特に肝臓や卵巣には「テトロドトキシン」と呼ばれる猛毒が含まれています。厚生労働省の資料によると、テトロドトキシンは青酸カリの1,000倍以上とも評される極めて強力な神経毒であり、微量であっても呼吸麻痺を引き起こし死に至らしめます。かつて調理技術や解毒の知識が乏しかった時代、ふぐを食べる行為はまさに生死を分ける賭けでした。そこから、「当たれば(毒に当たれば)命を落とす=鉄砲の弾に当たるのと同じ」という連想が生まれ、ふぐそのものが隠語で「テッポウ」と呼ばれるようになったのです。
豊臣秀吉が文禄・慶長の役の際、肥前名護屋に集結した武士たちがふぐ中毒で相次いで命を落としたことを機に「河豚食禁止令」を発布。江戸時代に入っても徳川幕府は武士のふぐ食を厳しく禁じ、違反した家は家名断絶などの過酷な処罰を受けました。しかし、食い倒れの街・大阪の庶民たちは「そんなに旨いものを行政の命令ごときで諦められるか」とばかりに、役人の目を欺くために「テッポウ」と符牒(隠語)で呼び合い、闇でふぐを食し続けたのです。この「テッポウの刺身」が詰まって「てっさ」となり、現在まで愛される食文化の言葉として残りました。